植毛ロボット「アルタス」とは?|その植毛技術について

植毛はドナーを採取したり植え込んだり、単純な手術ではないので医師によって技術に違いが出ます。経験が豊富であれば高い定着率できれいな仕上がりですが、あまり手術が得意でない場合は満足できない可能性があります。そこで、ドナーを採取する過程を自動化したのがアルタスです。ドナーを採取するのは非常に精密な作業で、毛根を切断していまうと植え込んでも抜けてしまうので、貴重な髪の毛を失うことになります。アルタスは4つのCCDカメラで、何万通りもの統計データを読み込み、肉眼では把握できない皮膚の下にある毛根の角度を計算します。毛根が切断されない採取方法を導き出すので、傷付けずに採取することが可能です。髪の毛の本数や密度も計算しており、採取した部分も不自然にならないように、間隔を決めています。いくら後頭部や側頭部が薄毛の影響を受けなくても、ドナー採取でその一部が失われるわけであり、植毛手術で薄毛で気になる部分が増えるのを避けることは重要です。アルタスではメスをつかいません。ドナー採取の時は、かさぶた程度の小さな傷ができますが、自然治癒力で解消します。テンショナーという装置があり、皮膚を均等に伸ばしてドナー採取用のニードルを使います。採取が完了したら、テンショナーを外し引き伸ばされた皮膚が元に戻るので、傷口は1mm以下になります。傷跡が残らなければ、坊主やベリーショートなど頭皮が見えるヘアスタイルも挑戦できます。植え付けでは生着率を維持するために、医師が1本1本手作業で行います。アルタスを導入することで、人間の手では難しかったメスを使わないFUE法がスピーディーかつ正確に行えるようになりました。針などのソフトだけでなく、中身のソフトもバージョンアップを重ねているので、スピードや正確性、生着率の向上が進んでいます。ただし1株ずつの採取になるので、場所によっては管理が難しくなります。株の状態を維持することは生着率にも関わることなので、毛髪再生医療で使用するACELLという粉や、ハイポサーマルという液体などを使用することがあります。ロボット自体が高額なので、植毛にかかる費用は決して安くありません。また最先端の植毛方法なので、手術を受けられるクリニックが国内では限られており、一部の都市部に集中しています。しかし中にはアルタスを使った手術の実績を残すために、モニターを募集しており家計を圧迫しないで手術を受けられるクリニックもあります。

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